2018年11月3日、2018弦楽器フェアに行ってまいりました。当日同会場内で行われるクラシックギターコンサートでは、あの朴葵姫(パク・キュヒ)が出展ギターを演奏するということで「これは凄いことになりそうだ!」との予感たっぷりで行ってまいりました。
前年の村治奏一のときも来場客が飛び抜けて多く、かなり早めから待ち行列があったのです。今年はそれ以上と予想し早めに並びに行ったのですが・・・大変なことになっていました。
目 次
長蛇の列! 演奏会場に観客入り切らず異例の措置へ
通常、出展ギターの演奏は2部制になっていて、1部につき4~5本演奏して休憩を挟み2部が始まります。演奏者は1部、2部とも同じです。
コンサート会場の入れ替えは、演奏者ごとに行われるので、ギターの1部と2部は続けてそのまま会場内で鑑賞可能です。
しかし今年はあまりにも朴葵姫の人気が高く、なんと満席で会場に入れない人が多数という状態になりました。
そこで運営側の急遽の判断があり、今回に限り、1部と2部を入れ替え制にするとのアナウンスが1部が終わった直後にありました。
1部から客席にいた私は「あ~、2部は聞けないのか~」っと一瞬がっかりしましたが、会場退出後に2部の列の最後尾に並び直せば入れるかもしれないと思い並びました。
結果、無事2部も鑑賞できました(満足です!)。この日の朴葵姫ちゃんが美しいのなんの。スピーチはありませんが、素晴らしい演奏と合わせて最高です。人気がでるはずです。
評判のトレモロも「アルハンブラ」「最後のトレモロ」で十分に堪能しました。
気になった展示ギターの話
コンサートの前後で十数本試奏してきました。すべては時間的に無理でしたが3/5位は弾けたかもしれません。その中で個人的に気になった数台のギターのことを書いておきます。
今井勇一
個人的に気になっているギター製作家です。気になっている分、多少ひいきめに見てしまうかもしれませんが、毎年試奏するたびにこれはいいなと思います。
音にパワーがある感じです。ネックも握りやすい印象です。どこかの記事に書いてあったような気がします(確か1弦側と6弦側のネック厚を変えているとかどうだとか)
寺町誠
今年は米杉、ダブルトップ、RFという音量を意識した作品でした。寺町さん、これまでオーソドックスなギター作成という印象がありましたが、今年はやってきましたね。RFは桜井さんのものより低めですが、しっかり持ち上がっています。
朴葵姫の演奏会にも登場しました。音はしっかり出ている感じがしました。
佐藤一夫
今年は会員外出展ということで、毎年会員外の作品が置かれている場所(ギターコーナ入り口近くの目立つ場所)にありました。このギター、前から気になっており今回始めて試奏しましたが、これはよいですね。
音が大きいとの噂をよく聞きます。確かに音量はありますね。音色も好みでした。朴葵姫の演奏会では一番鳴っていた気がします。
中山修
すべて竹で作られた貴重なギターです。今回始めて試奏しました。(毎年出しているのですが、これまであまり興味が沸かなかったので、弾いていませんでした)。
当たり前ですが、ちゃんとギターの音がします。近年ギターの材料不足のことが騒がれていますが、昔ながらの材料に固執する必要もないのでは?と思いました。
直ぐ側に製作家の中山さんがいらっしゃり、試奏後に「どうですか」と聞かれましたので、お話させていただきました。
中山さんによると竹は幹が細いので、切り出しても通常のギターのように単板(2枚組)でとれません。切り出した竹の材料を細かく貼り合わせているのだそうです。材料作成だけで5年かかるとか。
すごく手が込んで作品で製作家の熱意には感心しました。この大変さを考えると中山さん以外は手を出さない感じがします。是非これからも頑張って欲しいと思います。
山本篤史
猫のデザインをギターに施した特徴的な作品です。女性向きな感じがしますね。毎年この方の作品を試奏されていただいておりますが、この方のセールスポイントは「サービス精神旺盛」といったところです。
毎年何かしらのプレゼントがあります。「ご自由にお取りください」というやつで、今年は爪やすり(800番、1500番)でした。
昨年は「ポジションマークシール」でした。昨年いただいたポジションマークシールは、マイギターに付けさせていただいています。(山本さんありがとうございます)
清水優一
ホセ・ルイス・ロマニリョスのコピーモデルです。昨年も出展していました。展示商品はサイドバックがマダガスカルローズの80万のものです。
清水優一さんとはアウラでギターのメンテを担当いただいてからの顔見知りです。期待の若手製作家です(キャリアはそれなりに長いです)
このコピーモデルはよくできていると思うのでこれからも続けてほしいです。清水さんにも直接伝えています。